草彅剛、主演映画でトランスジェンダー役に挑む「今までにない大挑戦」
メガホンをとったのはNetflix「全裸監督」、テレビ東京「Iターン」の内田英治監督。撮影は10月下旬より都内、関東近郊を中心に始まっている。本作は、トランスジェンダーの「凪沙(なぎさ)」と、親から愛を注がれることなく生きてきた少女・一果(いちか)の姿を通して“切なくも美しい現代の愛の形”を描く「ラブストーリー」。
凪沙(草彅剛)は今夜もメイクをほどこし、ステージ衣装に腕を通す。今にも崩れ落ち壊れてしまいそうな自己を支えられるのは自身のみ。一人で生きていくしかない仲間たちと共にステージに立つ。そんな凪沙が、育児放棄にあっていた親戚の娘、一果(いちか)を預かることになる。理解しあえるはずもない二人だったが、凪沙が一果の苦悩を正面から受け止めることにより、凪沙の中に今まで感じたことのなかった感情が生まれる。そして、一果への母性を純化させるために凪沙は尊い決断をくだす……。
現代社会の歪みの中で生きる凪沙は自らの“性”と葛藤するなかで、同じく孤独に生きてきた少女と出会い、いつしか“母性”が芽生え、心が変貌して行くのであった。
凪沙を演じることになった草彅は今回、「今までにない大挑戦」と意気込みを見せると同時に 「この作品は“人の愛、エネルギーにすごくあふれていて国境や性別を超える力があり、皆さんに楽しんでいた だけると思います。難しい役ですが“変えられない運命”、“逃れられない運命“の悲しみ、切なさといった ものは人が誰しも抱えていると思うので、それを作品のなかで表現できたら」とこの作品にかける思いを力 強く語った。
内田英治監督も「この難しい役を演じるのは、誰もが知っている方でないと意味がないと思っていたところ、草彅さんが演じていただけるということで本当にうれしく思います。すでに撮影では草彅さんの素晴らしい演技に心をうたれています」と草彅の快諾を喜んでいる。今回の作品は「人間ドラマ」であると同時に普遍的なエンターテイメント作品であると語り、「多様化の時代における一つの愛の形として受け止めていただければ」と話している。
草彅剛/凪沙役 コメント
ーー台本を読んでの感想
この脚本が人の愛、エネルギーにすごくあふれていて 国境や性別などを超える力があって、皆さんに楽しんでいただけると思います。 台本を読んだ時、とても感動し涙がとまらなかった。その時の気持ちを作品としてみせられたら。 今までで一番大挑戦の役なので、ここでまた新しい作品の力やお芝居の力に目覚めることができたらいいなと思います。
ーー役への取り組み方について
難しい役なのですが、凪沙の気持ちというのは少なからず誰しも生きている人間ならばわかるもの、 作品として訴えかける力があっていいなと思います。 “変えられない運命”、“逃れられない運命“の悲しみ、切なさといったものを人は誰しも抱えていると思う。それを作品のなかで表現できたらと思いました。
いろいろなキャラクターが登場する中、凪沙が作品をひっぱっていくキャラクターになるんじゃないかな。 深刻な問題ではあるけれどそこにリアルに生きている人たちの悩みを見せられたらいいなと思います。 想像もつかない作品になるんじゃないかと思います。監督を信頼してみんなで頑張ります。
内田英治監督コメントーー企画意図から映画制作決定までの経緯、草彅剛を起用した理由
5年ぐらい前に少女とトランスジェンダーの疑似親子の物語をつくりたいと思いオリジナル脚本として書きましたが、題材の難しさもあり、この5年間なかなか表に出せなかった。 内面的な演技が要求されるこの難しい役を演じるのは、誰もが知っている方でないと意味がないと思っていたところ、草彅さんが演じていただけるということで本当にうれしく思います。草彅さん演じる凪沙と一人の疎外された少女。多様化が進む現代社会の中で必死に愛を求める人たちを描いた物語です。
ーー作品への思い 人間は愛のためにどこまで自己を犠牲にすることが出来るのか?
多様化が進むなか、普遍的な一つの愛の形としてトランスジェンダーと少女の関係を描いています。普通に存在する者たちの物語で、普通の娯楽映画として大いに楽しんでいただけたらと思います。
初心者女装子さんの外出一歩目くらいの大挑戦だな。