制服「男子はズボン」「女子はスカート」の原則を見直し 男子生徒へのスカート導入は?
出生時の性別に違和感を持つトランスジェンダーの児童・生徒を考慮し、ここ数年、学校制服のジェンダーレス化が徐々に進められてきた。なお、文部科学省は、2015年4月、全国の学校に「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」を通知し、トランスジェンダーの児童生徒への配慮を呼び掛けている。
東京都港区は今月、トランスジェンダーなどの性的少数者が身体の性別に関係なく服装や化粧などの自由に選べるよう、「港区男女平等参画条例」を改正する意向を固めた。条例によって自己表現の自由を保障するのは全国初だ。
対象者は、区民および区内在学・在勤の人。条例改正案は、2月の定例区議会で提出、4月施行を目指す。
普段の服装はもちろん、学校や会社で着用する制服も自由に選択できるものとし、区立中学などには「男子はズボン」「女子はスカート」といったこれまでの原則を見直すよう理解を求めるという。
女性児童・生徒の制服にスラックスを入れる動き
制服のジェンダーレス化に取り組む地域や学校の多くが、女子生徒に対して「スカート」と「スラックス」の選択を許可している。
2018年4月に開校した千葉県・柏市立柏の葉中学校では、開校前の段階で、制服・校内服等検討委員会を立ち上げ、「制服は必要か、不要か」というところから検討が行われた。最終的に、制服は男女とも同一デザインのブレザーで、女子用にはスカートとスラックスが導入された。
2018年度よりジェンダーレスの制服に新調された神奈川県・平塚市立太洋中学校でも、女子はスカートとスラックスを同時採用している。
また東京都では、中野区と世田谷区が、2019年4月より、全ての区立中学校で、制服や標準服で女子のスラックスを導入。スカートか、スラックスか、自由に選択できるようになった。
中野区は、小学6年の女子児童が酒井直人区長に「ズボンをはきたい」と直訴したことがきっかけだったという。世田谷区では、制服のカタログに「男子用」「女子用」と明記しないことになった。
東京都23区では他の区でも、制服を新調した際に女子用スラックスを導入する学校、生徒の申し出によりスラックス着用を個別に認めているケースなどがある。
このように、女子生徒が着用する制服にスラックスを導入する動きは、徐々に広まってきている。では、男子生徒へのスカート導入はどうだろうか。
男子生徒のスカート着用を認める場所も
昨年4月に入学した1年生から制服がモデルチェンジした埼玉県・戸田市東中学では、男女ともにスカートとズボンのどちらも選択可能となった。同じく埼玉県で今年4月に開校予定の市立吉川中学校でも、制服は男女ともにブレザーで、性別にかかわらずスカートかスラックスのどちらも選択可能だという。
福岡県でも、男子生徒のスカート選択を可能にする動きが出ている。
福岡県福岡市では、2018年6月に学校関係者や有識者による市立中学校の制服を見直す検討委員会が立ち上がり、トランスジェンダーの生徒に配慮した、性別に関係なく着られる制服のデザインが検討されてきた。
2019年10月には、市内のすべての市立中学で男女関係なくスカートかスラックスが選べる制服および標準服が採用されている。
また、福岡県北九州市の市立中学校でも、来年度から市内統一の標準服が導入され、性別に関係なくスカートかスラックスかを選べるようになる。学校統合により、来年4月開校予定の福岡県みやま市瀬高小学校でも、性別に関係なくスカートか半ズボンを選べる標準服を導入するそうだ。
ただ、選択肢があっても「選べない」状態では意味がない。実際に「選べる」空気にしていくことも重要だ。
千葉県の千葉市教育委員会は昨年、市立中学校の校長や養護教諭らによる「制服のあり方検討委員会」を立ち上げている。「千葉日報」によると、千葉市では一部の公立中学で女子のスラックス着用が認められているが、昨年8月の第1回検討委員会では、「女子用スラックスがあっても周囲の目などを気にし、実際には着用していないケース」が報告されたという。
トランスジェンダーへの理解、また従来的な「男らしさ」「女らしさ」についても再検討が必要な課題といえるだろう。
去年「はいまた女子だけズボン解放ですかw」って何回言ったか。
最初からやらない意味がほんとわからん。まぁいい早く解放していってくれ♪