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NYで男女兼用トイレ増加、ジェンダーフリーに配慮

NYで男女兼用トイレ増加、ジェンダーフリーに配慮

米ニューヨークで男女兼用のトイレが、じわりと増えている。以前からバーやレストランにはあったが、ここ数年でホテルや公立図書館でも多く見かけるようになった。LGBTQにも配慮した、性差に偏らないジェンダー・ニュートラルの試みだ。(ニューヨーク・安部かすみ)

日本からニューヨークに遊びに来た人のほとんどが高い確率で驚くことがある。ホテルやレストランにある公衆トイレが、男女兼用になっていることだ。

日本の職場のトイレなどは、男女別に分かれているほうが高く評価される傾向がある。「男女兼用の公衆トイレ」と聞くと、「男・女・男女兼用の3種類があるということ?」もしくは「居酒屋やオフィスで個室トイレしかないところは、男女兼用になっているけど...」と思うかもしれない。しかしニューヨークの男女兼用トイレは、少し事情が異なる。

NYの男女兼用トイレとは

当地では、例えば大規模なホテルやレストランで、男女別のトイレを作ることが物質的に可能だったとしても、男女兼用のトイレしか設置されていないケースが増えている。

ここで言う男女兼用トイレとは、様々なジェンダーに配慮した「ジェンダー・ニュートラル・トイレ」と呼ばれているもの。以前からバーやレストランには男女兼用トイレがあったが、ここ5年ほどでホテルや学校、公立図書館でも一気に広がった。

ジェンダー・ニュートラルとは、男女の性差のいずれにも偏らない考え方のことで、このタイプのトイレは、英語でほかにも「オールジェンダー・レストルーム」「ジェンダー・インクルーシブ・バスルーム」「ユニセックス・パブリック・トイレット」 など、様々な呼ばれ方がある。

ジェンダー・ニュートラル・トイレは、個室が1つ、もしくは2つでそれを性別にかかわらずシェアするタイプと、トイレに入るドアが1つで、中に入ると個室が連なっていて、性別にかかわらずどの個室を使用してもよいタイプがある。シンク(手洗い場)も男女兼用だから、手を洗っていると異性と隣同士になることもままある。

入り口には、視覚的にわかりやすいグラフィックスが描かれたサインを掲げていたり、Everybody(すべての人)、Whichever(どちらでも)、Inclusive(すべてのタイプの人々)、We don’t care(気にしません)などと書かれていたりする(冒頭写真はその一例)。

これにより、SOGI(セクシャル・オリエンテーション&ジェンダー・アイデンティティ:性的指向と性同一性)の如何にかかわらず、すべての人が気持ちよく使えるようになった。

わかりやすく言うと、自分のことを女だと思っていないのに女性用トイレを使わなければならないケースや、男性用トイレを使うのは嫌だが、かと言って女性用にも入りにくいといったケースで、不満や居心地の悪さを解消してくれるようになったのだ。

この試みは、生まれ持った身体の性と心の性が一致しない性同一性障害の人や、男性・女性の枠に当てはまらない中間的な性指向のインターセックスの人々などに対してのみ有効のように感じるが、じつは「あらゆる人」にとって有効なものだとされている。

たとえば、身体障がい者、高齢者、子育て中の親などだ。また女性トイレだけが長蛇の列で、隣の男性トイレが空室、といった状況の解消にもつながる。

「バスルーム法」への対抗が発端に

これらトイレ事情の変革は、2016年に米ノースカロライナ州で施行された「バスルーム法」に端を発した。米国の多くの州でLGBTQへの配慮や寄り添いの試みが進むなかで、同州では「生まれ持った性別以外の性のトイレ使用を禁じる」とする法案が、2016年3月に可決されたのだ(措置の一部は翌年に廃止)。

一方ニューヨーク市では、ジェンダー・アイデンティティによってトイレの使用を拒否する差別は2002年から違法となっており、「ノースカロライナ州の法律は公民権の侵害」と応戦。同市は2016年6月、ジェンダー・ニュートラルなトイレに向けた新法を制定した。

市内のレストランやバーなど1つしか個室がないタイプの公衆トイレで、「男性用」「女性用」など特定の性を表現するサイン(標識)を削除し、ジェンダー・ニュートラルなサインに変えることが法律で定められた。行政が自らリードして、トイレ改革が始まったのだ。

ニューヨークのビル・デブラシオ市長は、ノースカロライナへの旅行を自粛するように要請した上で、「我が都市はLGBTQの権利をめぐる戦いの発祥の地である。ニューヨークのすべての人々が尊厳をもって生きられるように、我々が戦いをリードし続ける」と宣言した。

ニューヨークでは1969年6月、同市内のゲイバー「ストーンウォール・イン」で、同性愛者が権利を主張するために警察に真っ向から立ち向かい、その後の抵抗運動につながる「ストーンウォールの反乱」が起きた。世界中で行われるレインボープライドのイベントやパレードの多くが6月に開かれるのは、この出来事がもととされている。

このように広がりつつあるジェンダー・ニュートラル・トイレだが、一方で、犯罪が多発する都市でもあるニューヨークでは「男女兼用は女性の安全を守るという点において最適な選択なのか?」と議論がなされていることもまた事実だ。

たとえば隠しカメラが仕掛けられたり、個室でいかがわしい行為が行われたりする可能性は否定できない。個室ドアは上下に空間が空いているものが多いが、まったく中が見えないタイプもあり、そうしたトイレは清掃担当者が定期的に見回るなど、安全で心地よい空間となるよう細心の注意が払われている。

クリハラチアキ
バスルーム法のある州、ジェンダーフリーな州
こういうすみわけが一番理想なのかも。
そのうち人類は移動のコストがほぼ0になるはずだから。






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