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NYのLGBTQパレードに15万人が参加、400万人が見物に集まった理由

NYのLGBTQパレードに15万人が参加、400万人が見物に集まった理由
6月30日、快晴となったこの日曜日、ニューヨーク中が虹色に埋まった。
毎年恒例のLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クイーア/クエスチョニング)プライド・マーチがマンハッタンで開催されたのだ。
ゲイやレズビアンの人々の人権運動が本格的にはじまるきっかけとなった、有名な「ストーンウォール事件」。これはマンハッタンのグリニッジビレッジで1969年に起きた。当時のニューヨークでは、平均1カ月に一度の割合でゲイバーに警察の手入れがあったという。その場にいた全員に身分証明書を提示させ、所持していなかった者と女装していたゲイを逮捕するのが恒例だった。
クリストファーストリートにあったゲイバー、マフィアが運営していた「ストーンウォール・イン」にも、警察が手入れを何度も繰り返していたが、1969年6月28日はそれが大きな暴動に発展して数日間も続いた。この事件をきっかけとして、世界各地でゲイの人権を訴える市民団体が誕生することになり、翌年初のゲイパレードが行われた。

 

初めてアメリカで開催した「ワールドプライド」
今年はこの「ストーンウォール事件」の、ちょうど50周年にあたる。それを記念して、国際的なLGBTQ人権保護団体である「ワールドプライド」の総合イベントが6月1日から1カ月にわたり、ニューヨークで開催されていた。
「ワールドプライド」は2000年にローマで初めて開催されてから今回で6度目で、アメリカでは初の開催となる。人権問題のフォーラムからダンス公演、コンサート、各種パーティーなど日々様々なイベントがニューヨーク市内中で開催されており、ゲイ・レズビアンを象徴するレインボウの旗やバナー、ポスターなどが街中の各所に掲げられていた。

市民運動色が強くなったパレード
だが現在のプライドマーチは、もっと市民運動色が濃くなった。多くの企業スポンサーがつき、各種公的団体や企業が「全ての人々の平等の権利」を支持していることをアピールする場所になっている。

見物客はなんと400万人
実際のところ、現在のプライドマーチは、本来の「ストーンウォール」精神を受け継いでいないと主張するLGBTQ団体もいて、彼らは企業のスポンサーシップを拒否して自分たち独自のパレードを行っている。
サンフランシスコでは、フェイスブックやグーグルなどの企業スポンサーの参加に反発したグループが、パレードの交差点をブロックするという一幕もあったという。
こうした批判もある中で、今日のプライドマーチの見学に集まった群衆はおよそ400万人と報道された。もちろん世界各国からやってきた観光客も少なくないだろうが、この数はニューヨーク市全体の人口の半分にあたる。
見物客の多くはやはり虹色のスカーフなどを身につけていたものの、その全員がゲイやレズビアンというわけではない。だがプライドマーチを通じて、市民運動の支持を表明するサポーターたちだ。

見物人たちの中にも虹色のものを身に着けた人々が
これほどパレードが盛り上がった理由の一つは、もちろんトランプ政権下のアメリカ政府に対する積み重なる危機感だ。
人々がプライドマーチを支持する背景はトランプ政権になってから、HIVとエイズ治癒のための医療援助予算が大幅に削減されただけでなく、日本の国民年金にあたるソーシャルセキュリティ、老人、低所得者向けの医療保険補助予算などが、大きく削られようとしている。一部の裕福層だけが優遇され、社会の弱者、マイノリティたちが切り捨てられる今のアメリカ政府の方向性に、多くのニューヨーク市民が深刻な危機感を持っているのだ。
1969年にはアメリカ合衆国の49州で同性間のセックスが法律で禁じられていた。オバマ政権下の合衆国最高裁が同性婚を合法化したのは、2015年のことだ。だがこの法律も、将来また覆される可能性もある。
折しも2020年に向けて、大統領候補者指名を目指す民主党の立候補者たちのテレビ討論会がスタートしたところで、国民の目は次の大統領選に向いている。トランプ氏が再選するような事態となれば、この先も保守派もますます勢いをつけていくことになることは必須だろう。
マンハッタンを覆っていた虹色の旗には、LGBTQコミュニティだけではなく、全ての人々が自分らしく生きていけるリベラルな社会を望む人々の願いが込められているのである。

クリハラチアキ
トランプになってから厳しい状況だもんなぁ・・・
確かに市民運動っぽいわw



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