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FtMトランスジェンダーが家を買う際に突き付けらたトランスに対する偏見「普通の人生を生きたい」

「当たり前の人生」を生きたい トランスジェンダー家を買う

今回は、関東近郊に住む30代のトランスジェンダー、Aさんにお話を伺った。Aさんは戸籍上は「女」だったが、自分で認識している性別は「男」だった。

性別を書くと、担当者が「えっ?」
ちなみに僕は、20代半ばに戸籍上の性別を変更した。現在の日本では、戸籍の性別変更をするには性別適合手術をした後に、家庭裁判所に申し立てをして認められないと変えることができない。
住まいのことを考えるのにあたり、まず、戸籍の性別変更をする前のことを思いだしてみた。残念ながら、当時(約10年ほど前)賃貸の部屋探しで、必ずしも僕のような事情の人をすべての大家さんが認めてくれるわけではなかった。変更前は、見た目と戸籍が違う。当時の僕は、見た目は男。でも戸籍上の性別は「女性」で、名前も女性のものだった。
問い合わせの時点ではウェルカム。しかしいざ店舗に行って、申し込み用紙に性別を書いて名前を書くと、まず不動産仲介の担当者が「えっ?」と怪訝な顔をする。案内をしてくれて、申込をしたとしても、大家さん審査でNG。そんなことが覚えているだけで2回はあった。もちろん、自分がトランスジェンダーだったことが原因とは決めつけられないが、収入面など、他に目立った問題はなかったと記憶している。

もちろん、住民票どおりの女性を「演じること」はできなくはないが、当事者としては苦しいことだし、見た目が「男」であればそれも難しい。パートナーができれば、パートナーも一緒に好奇の目にさらされる。賃貸契約のたびに、心理的ストレスがかかることになる。

そうして何回か部屋を住み替えた後、僕は結婚して一戸建てを買うことにした。家は注文住宅。ロフトに、暖炉もつくりたい。理想の家を創るのはすごくクリエイティブで、わくわくした。
しかし、トランスジェンダーの住宅購入には、ある難関がある。もし住宅ローンを組む3年以内に、性別適合手術をしていたとしよう。これはほかの病気と同じ「告知事項」に該当する。そして告知した後、住宅ローンを組む銀行側にどう判断されるのか分からない。例えば生命保険の場合は、圧倒的に不利に働く。結婚したとき、僕自身、生命保険に加入したくて何社にも問い合わせをした。しかし性別適合手術を「告知事項」として記載したことで、いずれの会社からも「前例がない」と加入を断られてしまった。

告知事項ではなくても、住宅ローンを組む際に戸籍謄本を提出する場合、銀行側に戸籍の性別変更の事実も当然伝わる。僕の場合は、社会人として働きはじめたころから長年お付き合いしているメインバンクの担当者が、20代半ばの性別変更時も親身になって相談に乗ってくれた。なので、住宅ローンについてもあらかじめその担当者に相談をすることができ、無事に住宅ローンを組むことができた。

家ができたとき、自分の両親はとても喜んでくれた。それ自体はいいのだが、同時に僕は、そのことに違和感もあった。両親を含め、なぜか「結婚も就職もできない。家も買えない」つまり「人並み」に生きられないと決めつける人が多い気がする。「できないことなんてなかった。なーんだ、普通の人生だったじゃん」いつかそう呟けるように。トランスジェンダーにとらわれることなく、自然に生きてやりたいのだ。

クリハラチアキ
すばらしい!!!
普通にやりたいことをやれる社会になりつつあるね!!

この記事の趣旨とは違うけど、
「家を買うこと」が「普通」というのは違うと思うけどね。
むしろ「家を買わない」ことが「普通」なんだけどね今は。
地震大国、地下暴落の日本でコストしか生まない自分用不動産を持つ意味はないわね。



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