月刊「WiLL」12月号の日本学術会議特集で、LGBT問題を扱ったのは同性愛者であることをカミングアウトしている元参議院議員、松浦大悟だ(「学術会議はLGBTをわかっていない」)。
LGBT当事者の松浦が「首を傾(かし)げたくなる内容」と指摘したのは前述の提言の(Ⅱ)で、副題は「トランスジェンダーの尊厳を保障するための法整備に向けて」(今年9月23日付)。現在の「性同一性障害者特例法」は、性別適合手術による生殖腺の除去と外性器の形成などを要件として戸籍上の性別記載の変更を可能としている。しかし、提言はそれを廃止して、自己申告だけで性別を変えられるようにするため、新たに「性別記載変更法」を制定せよと求めている。
だが、これが実現したらどんな混乱が起きるか。温泉や銭湯で、男性の生殖器を持つ「自称女性」が女湯に入っても、誰も抗議の声を上げることができなくなる。性的少数者に対する「人権侵害」「差別」と言われるからだ。一般の人は「まさか」と思うだろうが、それを提言したのが学術会議だ。
紙幅が尽きたので、詳しく論じることはできなくなったが、左翼イデオロギーに支配されたことにより性的少数者の人権擁護が金科玉条となり、多数者の人権や社会混乱をあえて無視する日本学術会議の実態を示す例と言える。この提言一つ取ってみても、学術会議の解体論が説得力を持ってくる。(敬称略)
温泉や銭湯で、男性の生殖器を持つ「自称女性」が女湯に入っても、誰も抗議の声を上げることができなくなる。性的少数者に対する「人権侵害」「差別」と言われるからだ。一般の人は「まさか」と思うだろうが、それを提言したのが学術会議だ。
こんなもん多数派に対する寛容のパラドックスのほうが大きすぎるわ。