「高校文化祭の男装女装コンテストにNG」決断した校長の思い
性的少数者(LGBT)への配慮が広がる中、兵庫県内の公立高校で、生徒が企画した男装女装コンテストに、学校側がNGを出した。「男装女装はいけないこと?」と憤る生徒に対し、校長の思いとは。
企画は文化祭の出し物で、生徒会が中心になって案を出した。男子生徒(17)は「単純に、面白いかなと。正直、考えた当初は、LGBTの人のことは頭になかった」と話す。だが学校側に提案したところ、回答を留保された後、「地域の人や中学生も訪れる文化祭の出し物としては好ましくない」と再考を促されたという。
教諭の間でも議論になった。だが校長は「どういうやり方をしても、『いじる』要素は残ってしまうだろう。校内に対象者がいるわけではないが、民間業者の調査では13人に1人の割合ともいわれ、ひそかに苦しんでいる人がいるかもしれない。学校の行事として誰かを傷つけかねないことは避けるべきだと判断した」と明かす。
一方、生徒側は「考えが至らなかったのは甘かった。けれど女子が男装しても、男子が女装しても誰も変に思わないのが本当の『配慮』のはず。男装女装に触れるのもダメだというのは何か違うんじゃないか」と不満を漏らす。◆見えない誰かのこと考えるきっかけに
過去には、大学の学園祭の男装女装コンテストが、性同一性障害の支援団体からの批判を受けて中止になった例もある。
心の性と体の性が異なるトランスジェンダーで、高校教諭だった経験もあるしんやさん(37=仮名)は「当事者の間でも考え方が分かれているんです」と打ち明ける。自身は「学校という場を考えると、生徒の気持ちを尊重することも大切では」と容認の立場だ。何より「LGBTへの反発や“炎上”を懸念して守りに入るのなら、それは違うと思う」と話す。
しんやさんは「女の子」として育ち、高校時代は女子校に通っていた。相談する相手もなく、気持ちを押し殺し続け、行き場のないいら立ちで大切な人を傷つけたこともあった。だが、卒業生を送る会の企画で学ランを着たのは「うれしかったし、楽しかった」と言い、「もし自分だったら、コンテストに出たかったな」と笑う。
しんやさんは性別適合手術を受けて戸籍を男性に変え、ストレートの女性と結婚した。授業で多様な性の在り方を教える学校が出てくるなど、社会の状況は少しずつ変わりつつある。それでも、思春期になり体も変化していく中で、自分が何者か分からなくなったり、セクシャリティを隠そうと怯え続けたりして、人知れず苦しむ当事者は少なくない。実際「自分たちは見せ物じゃない。ただの面白半分ならやめてほしい」と話すLGBTの友人もおり、「どちらかが正しくて、どちらかが間違っているんじゃない」としんやさん。「僕のように男の服が着たい子もいれば、深く傷付く子もいる。だからこそ、避けるのではなく、まずは当事者が何を見て嫌だと思うのか、コンテストをどういう風に捉えて、どんな思いをするのか、いろんな受け止めがあるということ自体を知ってほしいんです」
兵庫県の話題
校長のいうとおり「いじる要素が傷つける」可能性もある。
一方でメディアを席巻するLGBT系芸能人は「いじる要素」売りにしてる。
売れるからこそ認知度が広がっている側面もある。
これは本当に線引きが難しいんだけど・・・
結局、何をやっても100%完璧な正義なんてないわけで。
私は、その学校の責任者である校長先生の決断を支持したい。