[ワシントン 28日 ロイター] - 米連邦最高裁判所は28日、トランスジェンダーの学生に、自身が認識する性別のトイレを使わせなかったのは違法とした高裁の判決を支持した。
原告のギャビン・グリム氏はバージニア州の高校在学中、男子トイレを使えなかったことについて、2015年に地元の教育委員会を相手取って裁判を起こした。連邦最高裁は16年に訴訟を取り上げたが、判決を出さず審理を差し戻した。
リッチモンドの連邦巡回控訴裁判所は20年、グリム氏は教育における性差別を禁止する連邦法の「タイトルIX」と呼ばれる条項、および法の下で人々が平等に扱われると定めた合衆国憲法の下で保護されており、同氏に男子トイレを使えないようにした教育委員会の行為は違法との判決を下した。同年、教育委側は判決を不服として上訴していた。
グリム氏は女性として出生したが、自身を男性と認識するようになった。高校には女子として入学したものの、14年9月から男子として通い始め、学校の許可を得て約7週間は男子トイレを使用した。同年12月、生徒の親からの苦情を受け、学校は生徒が誕生時の性別のトイレを使用するよう義務付けた。グリム氏は、性別を特定しないトイレを使用する選択肢が与えられたが、拒否した。
トランスジェンダーの権利を争いの中で、トイレ問題は重要な問題の一つで、グリム氏の訴訟は注目されていた。
フロリダ州など複数の州は、トランスジェンダーの女性がスポーツ競技に参加することを禁止する法律が制定されている。
グリム氏の弁護士は、最高裁がこの訴訟を審理しないと決定したのは、この問題に緊急性がないと考えていることを意味すると指摘し「われわれの取り組みはまだ終わっていない」と述べた。
とはいえ「男女2文法の中のどちらかの性別だと社会が規定したトイレがいい」トランスにとっては解決策ではないのだなぁ。