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トランスジェンダーの女性、「魚の皮」で女性器を再構築することに成功
トランスジェンダーの女性のための性別適合手術で、魚の皮を使った手術法が発展してきている。(フロントロウ編集部)
ブラジルに住むトランスジェンダーの女性は、1999年に性別適合手術を受けた。しかし、その手術によって作られた膣が狭く短くなり、痛みも発生したという。
当初受けた性別適合手術では、本人がもともと持っていた男性器の皮を女性器の構築のために使われたのだが、女性ホルモンを投与するホルモン治療を行なっていたため、それによって男性器で作られた膣は縮小してしまったと、女性の手術を担当したベゼラ医師は英Focuson Newsに話す。そこで今回、彼女の膣の再構築に使用されたのが、ティラピアという魚の皮。ティラピアの皮は、タイプ1のコラーゲンが豊富に含まれていることや、強度がある一方で伸縮性があることなどから、様々な治療に適していると考えられている。
ティラピアを使った膣形成手術
チューブ状の型の外側に、殺菌処置がされたティラピアの皮が巻かれる。股に穴を作り、そこに型を挿入。約6日後にチューブを取り出すまでに、外側に巻かれたティラピアの皮に人間の身体が反応して細胞が育っていく。チューブを取り出した後は形成途中の膣が塞がってしまうことを防ぐためにシリコンでできたタンポンのようなものを挿入し、約半年かけて膣が完成する。
患者は手術後も通常通りトイレに行くことも、歩くこともでき、数ヵ月後には性的な行為も可能とのこと。ティラピアの皮を使った治療は各方面で行なわれており、やけどで皮膚が焼けてしまった人への治療では著しい効果が確認されていると、ブラジルにあるセアラ国立大学の教授は米Reutersに語っている。
ティラピアの皮が使用された女性器の再構築の手術は、2017年4月に初めて行なわれ、ベゼラ医師はこれまでに10人の女性に手術を行なったという。今回この再建手術を行なった女性は、「初めて完全に女性になれた気がする」と話した。(フロントロウ編集部)
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